新年あけましておめでとうございます

皆様、新年あけましておめでとうございます。

昨年4月に開業して以来、多くの方々のご支援を頂き、新しい年を迎えることができました。
改めましてお礼を申し上げます。

新年を迎えましたが、丸一年が過ぎるまでにはあと三月残っています。
このあと、年度末に向けての案件処理や最初の確定申告などがありますので、まずは、事務所運営のワンサイクルを乗り越えることが課題です。

勤務弁理士のときには出願に関する技術業務が専門でしたが、ここにきて事務作業の重要性を痛感しています。
お客様に対する連絡で意味内容が正確に伝わっているかとか、対特許庁手続きにおいて抜けがないかなど、細かなチェックポイントが沢山あります。
国民年金と厚生年金の違いや、源泉徴収税額や市民税の決め方なども、自分でやってみて知ることができました。

夫々の事務手続きは慣れてしまえば負担は減りますが、最初の一回目にはどうしても時間が掛かります。
事務手続きの習得の合間に明細書の起案作業などを行うのですが、慣れない事務作業の間で起案作業が却って楽しみの時間になったりしています

現実的な話では、事務所運営にはどうしても収支バランスが必要です。
つまり、黒字にしなければなりません。
開所準備費用や日々の必要経費はどんどん発生しますので、まずはこれを超えるだけの案件を受任しなければなりません。

所謂テレアポや、メール、直接訪問など通常の営業活動を行っていますが、効果が出るまでにはもう少し時間が掛かりそうです。
手間暇掛ける割に、これらによって得られた案件は少なく、既に頂いているものは知人からの依頼やその紹介であったりします。
駆け出しの小規模事務所に案件を依頼することは通常リスクを伴うと思いますので、皆様のご厚意には本当に感謝しております。

今は、自分のサービス力がこの業界でどの程度通用するかを試している段階です。
まだ、白か黒かはわかりませんが、経済条件的にはもう暫く頑張ることができそうです。
緊張感を積極的に楽しんでいるということはないのですが、勤務弁理士の頃と比べて日々の充実度が違うことは確かです。
白となれば良いのですが。

今年は、米国の影響がどのように出るか不安ですね。
でも不安に思っていても仕方がないので、まずは目の前の案件の完成度をできるだけ高め、サービスの質を向上させて次に繋げるのが重要と考えています。

皆様、改めまして本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

(山崎)

ロードスター車検

こんにちは

ロードスターがウチにやってきて2年が経ちました。
ウチに来た時にはタイヤがフェンダーからはみ出し、ものすごく硬いスプリングが付いていました。
それらを直ちにノーマルに戻し、ショックアブソーバーを新品にしたのでした。
その後、燃料インジェクターを分解洗浄し、タイミングベルトを換えましたが、トラブルは全く無く健康に走っています。
ウチに来てから約1万1000キロ走行し、現在は17万5000キロです。
今回、車検を迎えまして所謂ユーザー車検に行って来ました。

1611221

場所は魚崎にあります神戸運輸管理部兵庫陸運部です。
予めネットでユーザー車検の予約をしておきます。
当日は、朝8時45分から受付開始です。

まず、書類一式(50円)を購入し、検査手数料(1,400円)の納付、自動車重量税(25,200円)の支払いと、自賠責保険(27,840円)の更新手続きを行います。

次に各書類に必要事項を記入します。
点検表の記入がちょっと専門的ですが、前日に車の下にもぐってゴムブーツとか、ブレーキの動作状況を確認しておいたので、チェック欄にマークを入れるだけです。

受付窓口で書類のチェックを受けOKなら検査場に向かいます。
ここまでで約20分です。

検査場です。

1611222

検査も自分で行います。
50mほどの検査コースがあり、順番に項目をこなします。
検査レーンはどこでも好きな所に並びます。
当初は、緊張をほぐすため一番長い列の後ろに並んだりもしました。
今日は一番すいているレーンです。

検査ラインに入る前に、検査官(青い制服の人)による外回りチェックです。
ライト類、クラクション、ワイパー、ウォッシャー液の各動作、発煙筒の有無を確認します。
さらに、走行距離の確認、エンジンルームに刻印された車台番号が正しいかをチェックします。

これがOKならいよいよ検査ラインです。
前方上方の指示表示を見易くするために幌は開けておきました。
何回やっても緊張します。

検査項目は、

まずは、
タイヤのサイドスリップの有無(ゆらゆら揺れる板の上をただ走るだけです。)
スピードメーター(ローラーの上で実際に走って、時速40キロになったときパッシングします)
前後のブレーキ(タイヤを載せた前後のローラーが回り、ブレーキを踏んでローラーに抵抗を掛けます)
サイドブレーキ(後輪のローラーが回り、サイドブレーキを踏んで抵抗を掛けます)
ライトの光軸(ハイビームで点灯し、前方のテスターが最も明るい場所に動いて光軸の向きを確認します)
です。

最初のサイドスリップ検査に向かうところです。
そのあとの項目はテンパってしまって写真を撮り忘れました。

1611223

次は下回り検査です。
ピットが掘ってあって中に検査官が居ます。
ブレーキを踏んだり、ハンドルを左右に回したりし、また、車の下では各部をハンマーで叩いたり、ゴムブーツの破れがないか、マフラーに穴が開いていないかなどが目視で検査されます。
この下回り検査がユーザー車検で最も心配なところです。
何しろ下回りなんか普段殆ど見ないですから。
今回は、前日に車の下にもぐってゴムブーツを磨いたりしたので安心でした。

最後に、マフラーにプローブを差し込み、排ガス濃度を測定して終了です。

全部がOKだと検査ラインの端にいる検査官が印を押してくれ、先ほどの事務所に戻って新しい車検証とワッペンを交付してもらいます。

もし、不具合があっても、その日のウチでしたら何度でも検査を受け直すことができます。
例えばヘッドライトの光軸が狂っていると言われたら、近くの壁に行ってライトを照らし、調整ねじで光軸を修正したのちに再度ラインを通るといった感じです。

オイル交換は車検項目にはありませんが、キリがいいのでこの際に換えておくとよいです。

1611224

今回は不具合もなく一発でOKでした。
スムーズにいったので10時前に検査が終了しました。
車検費用の合計は6万円弱です。
ただし、車検に通っても壊れる時は壊れますので、その都度メンテしなければなりませんが。

ユーザー車検は自分の車の調子をみる良い機会になります。
実益も兼ねていますので是非一度お試しください。
新しい車検証を貰った時にはかなり嬉しいですよ。

山崎

2017 グライダーカレンダー

こんにちは

2017年版のグライダーカレンダーを作りました。
名前を Aero Dancing in 2017 といいます。

161111

東海・関西地区の学生グライダー活動を支援している(社)東海・関西学生航空連盟というのがあり、私も一人のOBとして参加しているのですが、学生のグライダー活動に役立てようと5年前から作り始めました。

私が知るところ、現在、国内のグライダーカレンダーは三つあるのですが、これは唯一の卓上カレンダーです。
掲載している毎月の写真は、全て東海・関西地区の学生やOBが活動しているもので、写真好きのOB・現役諸氏が撮影したものばかりです。
皆さん決してプロの写真家ではないのですが、それぞれに傾向があって、私個人的にはいい味が出ているのではないかと思っています。

まとめて掲載するとこんな感じです。

2016 ƒJƒŒƒ“ƒ_[‘O [XVÏ‚Ý]

2016 ƒJƒŒƒ“ƒ_[

例年、私は、何枚かの写真のカメラマン役と、製版作業・印刷発注作業を行うのですが、今年は、パイロットとしても登場しております。
2月と7月です。

7月の写真については8月22日のブログに書いたとおりです。
で、2月についてちょっとだけ解説しますね。

場所は木曽川滑空場です。
翼の平面形が良く見えるようにちょうどよい角度で背中が写っています。
自分でもなかなかのお気に入りです。
曇り空だったのが残念。
これは、私だけでできるものではなくて、カメラマンのシャッタータイミングとか、カメラ機のパイロットの操縦等との合わせ技なのです。

共にエンジンの無いグライダーどうしですし、高度は少しずつ下がりますので、撮影タイミングは一回のジョインナップに限られます。
一台のウインチで2機を続けて引き上げるのですが、私の機体が先に上がって所定の位置で待機します。
離脱高度は400m。
そこに後行のカメラ機が上昇し離脱したポイントをめがけて私が近付きます。
このとき、相手機を狙って一直線に近づくと勢い余って衝突することもありますので、相手機の下方を狙います。
予定間隔50mの倍ぐらい手前から進路を変え、相手機と平行に合わせます。

この時、後から上がったカメラ機の高度が高いので、カメラ機はエアブレーキを開いてゆっくりと下がります。
エンジンのないグライダーどうしの場合、高度の高い方が下がって位置合わせします。
この間、後方から近づく私が無線で自機の位置を知らせます。

1611112

こうしてだいたいの横位置に並びますと、カメラマンはモータードライブを使ってシャッターを切り続けます。
被写体機の私は、躍動感を出すために機体をカメラ機の方に傾けます。
このとき、カメラ機の方に旋回して近付かないように、ラダーを操作して機種は真っすぐ前方に維持します。
ただし、ほんの数秒もするとカメラ機の方に流れ始めますので、直ぐに傾きを直し水平飛行に戻して両機の位置関係を調整します。
落ち着いたところで再度翼を傾け、また戻し、というのを3回ほど続けました。

こう書けば簡単ですが、この間、両機の位置関係は決して安定しません。
常に上下左右にずれますので、カメラ機から見て被写体機がちょうど水平線の位置に来るタイミングは一瞬です。
また、その瞬間に被写体機が良い姿勢でいるとは限りません。
空撮はやってみないとわからない一面があってとても奥が深い世界です。

カレンダーを作っていて一番楽しんでいるのは実は私自身です。
既に今から、来年の写真の構図を考えています。
どのように機動したらインパクトのある写真が安全に撮れるか。
これを考えるのが大変楽しいのです。

山崎

 

 

県営名古屋空港

こんにちは
所用で名古屋に行った際、途中で時間ができたので県営名古屋空港に行ってみました。

最近では、ここで MRJ が初飛行しました。
名古屋駅から北東に約10kmのところにあり、都心にすごく近い空港です。
今では定期便がグッと減り、自衛隊機のタッチアンドゴー訓練とか輸送機が飛んだりしています。
隣接して三菱重工の工場もあり、航空技術研究の拠点としては重要な空港です。
戦闘機もよく飛ぶようです。

それでは早速空港の様子です。

61

といいましても、行きましたのは空港ビルではなく、滑走路の南端にあるショッピングモール AIRPORT WALK です。
進入機を撮るにはここの方が近くて良いそうです。
また、空港ビルに行くと駐車場代が1時間以降掛かりますが、ここは無料です。
このような店舗ビルの滑走路側に広い駐車場があります。
後ろを向くと滑走路です。

と、その前に北を向いてみます。

1

車の向こうに並んでいるのが様々な航空事業関連の格納庫と空港ビルです。
旅客ターミナルは一番向こうです。

41

フェンスの向こうには自衛隊の格納庫があります。
沢山の C-130H ハーキュリーズ 輸送機が並んでいます。

30分ほど見ていたのですがこんな機体が飛んでいました。
スマホしか持っておらず画像が粗いです。

101

左上 : タッチアンドゴー訓練中の自衛隊救難教育隊の U-125A 。ジェットの音がずしんと響きます。
右上 : ビーチクラフトB350。どこかの航空機使用会社の機体でしょうね。
左下 : 富士ドリームエアーのエンブラエル。ここの数少ない定期便です。
右下 : 救難隊のUH-60 。シルエットだけの粗い画像でごめんなさい。

この他、平日なので戦闘機が飛ぶのを期待していたのですが、時間の都合もあってこれだけしか見ることができませんでした。
それにしてもなんですね、せっかくの空き時間に空港に行ってしまうとは我ながら笑ってしまいます。
カメラも持ってないのに。

カメラと言えば、今回は iPhone SE で写真を撮ったのですが、1枚目と2枚目のワイド写真は画素数が2MBぐらいあります。
でも各飛行機の写真は目いっぱい拡大して撮ったのですが900KBぐらいしかありません。
iPhone は画素数の設定ができません。
iPhone の写真って、拡大して撮っても画素数が小さくなってしまって粗いのですね。
つまり、一番ワイドでバシャッと撮って、後でパソコンで拡大しても同じということです。
それか、もう少し良い方法があるのでしょうか。

山崎

飛燕とゼロ戦

こんにちは
11月3日まで神戸ポートターミナルで開催されている「飛燕」の復元展示に行って来ました。

この機体は、一般財団法人日本航空協会の所有で、これまで鹿児島の知覧特攻平和会館で展示されていました。
製造元は川崎航空機工業ですが、それを今回川崎重工業㈱の手によりさらに原型に近い形に修復されました。

これは「飛燕Ⅱ型」で、初代「飛燕」に対してエンジン性能などを向上させたものです。
飛燕は、当初からダイムラーベンツ社製の液冷エンジンを搭載しており、Ⅱ型ではエンジンの圧縮比を上げるなどして1175馬力から1500馬力に増強されたそうです。
初代の初飛行が1941年12月12日で、Ⅱ型の完成が1944年5月です。
ただし、排気弁の焼損等が解決できず、1944年10月からは飛燕も空冷エンジンに換装されたそうです。

さて全体形状です。
液冷エンジンのため前方に冷却用の空気を取り入れる口がありません。
ただし、写真では見えませんがラジエータが胴体下部に設けてあります。
ノーズが非常にスッキリしていて抵抗が少なそうです。
最高速度は 610km/h だったそうです。

1610150

こちらはゼロ戦です。
いい機会ですので古い写真を取り出して比較してみました。

この写真は、2008年にアメリカに飛行機の免許を取りに行った際、ロスアンゼルス近郊のチノ飛行場にあるPLANES OF FAME に行ったときのものです。
このゼロ戦は当時の栄エンジンを積んでいて今でも飛行可能です。
胴体下にはオイルの受け皿が並んでいて、現役機であることを証明しています。

1610156

飛燕のノーズです。
縦に六つ並んでいるのが排気管です。

1610151

V型12気筒の直噴エンジンで排気量は33.9リットルです。
どこがどうなっているのかよくわかりませんが、スーパーチャージャーも付いていたそうです。

1610154

一方、ゼロ戦のノーズまわり。
星型エンジンですから、排気管が胴体の周りに散らばっています。
排気管の形状は手作り感満載ですね。

161015-11

前から見るとぐるりと並ぶシリンダが見えます。
沢山のフィンが付いた一かたまりが一つのシリンダです。
空冷エンジンですから、空気を当てるためにこのように前が空いています。
カウリングのカーブも手作り感があふれています。

1610158

尾翼周りです。
水平尾翼と垂直尾翼は金属フレームに羽布張りです。
水平尾翼の先端についている小さなトリムタブは金属製でした。
左右の水平尾翼の後縁と垂直尾翼の後縁には夫々さらに小さな固定タブが付いています。
これはジュラルミンの一枚部品のようでした。
ほんの小さな部品ですが、高速で飛ぶときには舵の安定に役立つのでしょうね。

1610153

ゼロ戦も水平尾翼・垂直尾翼は同じく羽布張りですが、細部の仕上げが丁寧ですね。
水平尾翼の後ろは綺麗にフィレットが作られていて胴体との境目で発生する抵抗が少なそうです。

161015-10

部材どうしの段差が少なく、もの凄く気を使った作りです。
ある種芸術作品のようです。

1610159

脚部です。
左が飛燕、右がゼロ戦です。
どちらも緩衝装置を備えていて、ブレーキは油圧式のドラムブレーキのようです。
ゼロ戦の軸受けアームは丸い断面で味わいがあります。
飛燕の脚はジャッキの上に載っていますが、ゼロ戦は転がり跡のあるタイヤで立っています。

161015-6

飛燕の尾輪です。
飛行中は出たままです。
非常にシンプルな構造でタイヤは空気を入れないソリッドタイヤです。

1610152

ゼロ戦の尾輪もソリッドタイヤですが全体に凝った形をしています。
こちらは油圧による引込式。
引込機構のオイルが漏れるのかホイールが汚れていますね。

161015-13

ゼロ戦の初飛行は1939年で、飛燕はその2年後です。
ゼロ戦は三菱重工によるものですが、年代の差によるものかメーカーの差によるものか、両機の雰囲気に差があって面白いですね。

会場では作業風景などを映したビデオなども上映されていましたが、作業されている方々が皆楽しそうでした。
また、プロジェクトのメンバーの方が直に解説されていましたが、「恰好いい」という単語が何度も出てきたりして、なんだか親近感を抱いた次第です。

山崎

ROLEX オーバーホール 3

こんにちは。
このシリーズの最後です。
今回は磨き作業です。

前回の金時計と違って今回のケースはステンレスです。
金に比べてかなり硬いので少し時間が掛かります。
ただし、使う研磨材などはほぼ同じです。

この時計のケースは非常にシンプルな形をしています。
ミラー仕上げにするのは側面とベゼルだけです。
特にベゼルは完全な円錐形ですから磨き作業はとても楽です。

先ずはケースです。
ペーパー1000番→1500番→2000番と進みます。
写真がないのですが、そのあと金属磨き用のアモールで大体のキズ目をとります。

その次にコンパウンドです。

1028

コンパウンドはタミヤコンパウンドと前回使った8000番の仕上げ用コンパウンドを併用しました。
例によりましてヒノキ棒でひたすら磨きます。
時間は掛かりますが、すこしずつキズ目が減っていきます。
コンパウンドによる一方の側面の研磨時間は大体1時間くらいですね。

次はベゼルです。
ここは機械を使います。
といっても、ハンドドリルの先に回転台を取付け、ベゼルを両面テープで貼っただけです。

1031

この場合もペーパー1000番→1500番→2000番です。
特に、注意すべきは磨き棒の角度を変えないこと。
ベゼルの表面は円錐ですから母線の輪郭は本来は直線です。
磨き棒が動くとこれが丸まってしまい、写り込む陰影が曲がってしまうのです。
新品のベゼルは完全に円錐なので陰影がピシーッと一直線になりますが、残念ながら手で磨きますと絶対にそのようにはなりません。
でも、そこは限りなく直線に近付けるように息を止めて磨き棒を保持します。

ペーパーが終わりますと同じくコンパウンドです。
コンパウンド磨きはキズ目を顕微鏡で見ながら行いますので、どうしても完全手磨きになります。

1033

ぐるりと一周磨いていきます。
ヒノキ棒を立てたり寝かしたりしながら磨きます。
1時間ほどで綺麗になりました。
磨き終わった状態が前回紹介したガラスが外れている写真です。

ガラスとベゼルをケースに取り付けます。
が、これが大変でした。
ベゼルにガラスを嵌めておき、それをケースにパッチン式に嵌めるのですがメチャクチャ固い。
素手で押してもびくともしません。
無理に強く押すと一部だけが嵌まってベゼルとガラスが傾いてしまいます。

そこで即席に万力を作りました。

1044

2枚の板の間にケースとベゼルとガラスを挟み、四隅に通したボルトを順に締めていきます。
均等に締めないとガラスがすぐに傾こうとします。
締めたり緩めたりを何度か繰り返してようやく奥まで押し込むことができました。

このあと、ガラスの内面と文字盤の表面にホコリが残らないように注意しながら機械を入れます。
文字盤が深い黒ですから少しのホコリでも大変目立ってしまいます。

で、完成したのがこれです。

1067

側面には景色が綺麗に映り込んでいます。
ですが、なんか様子が変です。
ベゼルがなんとなく曇っているような。
改めて顕微鏡で見ると小さな傷ですが密度濃く残っている場所があります。
人の目というのは鋭いものですね。
太陽光だと目立たないのですが、蛍光灯などの単色光だと小傷部分が曇って見えてしまいます。
せっかくここまで磨いたのですから何とかしたいところです。

8000番で散々磨きましたが、このように小傷が残るということはその前の段階が問題なのでしょう。
前回はアモールで暫く磨いてすぐに8000番に行きましたが、アモールの粒子が崩れたところでもう少し力を抜いて磨いてみることにしました。

ただ、時計は組んでしまっていて研磨するとケースとベゼルの隙間などに研磨粉が入って汚れてしまいます。
分解するにしてもガラスを再度取り外すのは避けたいところです。
そこで考えたのがこれです。

1070

木工ボンドパック。

研磨粉が入りそうな隙間を木工ボンドで覆いました。
大丈夫です、後でつるりんと上手く剥がすことができるのです。
一方、ガラスとベゼルとの隙間は問題ありません。
メチャクチャピッタリ嵌っているので歯間ブラシで擦ればきれいになります。

アモールによる長時間研磨は正解でした。
粒子が細かくなっていくにつれて磨き力を弱めていくと小傷が消えていきます。
それでも小さな傷が残りますので、それは8000番で除去します。

そうして改めて完成したのがこれです。

2

スマホで写したのですがベゼルにスマホと手が写り込んでいます。

ついでにベルトも磨きました。
これは実は凄く簡単です。
台所で普通に使っているスポンジの片面についている磨き材です。
やかんの表面を磨くザラザラしたあれですね。

ベルトはもともと砂目を入れてあるのですが長年の使用でむしろ研磨されてしまいます。
そのため光り具合が一定でなくなってきます。
磨きスポンジで擦ると小傷も消えるし光沢も整って新品のようになります。
一方向に目を揃えるのがコツです。

気になっていた時計を触れて非常に楽しかったです。
勇気あるオーナー様に感謝です。

山崎

 

ROLEX オーバーホール 2

こんにちは
分解を進めますね。

4

左上:ゼンマイからガンギ車まで動力を伝える歯車を外します。
ただ、孔から引き抜くだけです。

右上:ガンギ車を抜き、受け板を外してアンクルを抜きます。
アンクルの先には二つの小さなルビーが付いています。
夫々のルビーがガンギ車の歯と交互に噛み、ガンギ車がgo-stopを繰り返します。
ルビーはエッジの効いた角柱状で、ガンギ車の歯を何十年間受け止めても摩耗しないようになっています。

左下:ゼンマイ受けを外します。
黄色い円盤状のものを香箱といい、この中にゼンマイが入っています。
香箱の外周には動力を伝える歯車が付いています。

右下:香箱を持ち上げて抜きます。
香箱の軸には大きな荷重が掛かりますので、軸の両端を受ける孔にもルビーのリングが入っています。

0024

全部の部品です。
ある程度の部品の集合部分は組んだままなので意外と少ないですね。
これでも、必要な洗浄・注油は全て行うことができます。

香箱を開けます。

0049

10年も使っていると中のオイルは枯れていますね。

時計のリューズを巻くと中央の芯が回転し、周囲にあるバネが中央側に集まります。
そうするとバネが解けようとしますが、中央の芯は逆回転できないようになっているので香箱全体が回ります。
その回転を香箱の外の歯によって次の歯車に伝えます。

0055

バネを取り出してみました。
中心部分から慎重に伸ばしながら取り出します。
もし一気に弾けてしまうとおそらくどこかに折れ目を作ってしまいます。
そうすると交換するしかありません。

ト音記号のようになっているのは、ゼンマイの巻き状態がどんな場合でも、香箱の駆動力を一定にするためです。

アルコールを付けた布でゼンマイの端を挟み、順に引き出しながら汚れを取ります。
このときゼンマイを往復させると、特に押しのときに折れ目を作ってしまうので注意です。

掃除が済んだら香箱に戻します。
これが大変です。
プロはゼンマイ巻き機というのを持っていますが非常に高価です。
ですので素手で巻き入れます。
特に最初の部分はゼンマイの曲がり方向を反転させながら巻き込んでいくので少しテクニックが必要です。

最初の写真のように巻き入れたら、粘度の高いグリスをバネ間に落とし込み、蓋をします。
あとでリューズの巻き上げと解放を何度か行ってグリスを全体に行き渡らせます。

ゼンマイが終われば他の部品の洗浄・注油です。

0063

アルコールの中に部品を浸し歯間ブラシなどで擦ります。
超音波洗浄機もあるのですが直接擦る方が確実です。

0066

リューズもブラッシングします。
このリューズは防水性を出すためにねじ込み式です。
写真では見えませんが内面側に雌ネジが切ってあります。
この雌ネジの間に溜まった汚れを掻き出します。

0996

リューズ受けの孔もこんな感じです。
これをきれいにするのはメチャ快感です。

ガラスも外します。

1015

ケースに環状の土手が作ってあり、そこに浅い皿状のガラスが外から嵌められ、さらにその外側を環状のベゼルで挟んでいます。
プロが使う特殊オープナーはないので大型カッターを使います。
ケースとベゼルの切れ目にカッターの刃を割り込ませ、周囲に沿って少しずつ隙間を広げていきます。
手元が狂うと手を切ってしまいますので注意しながら作業します。

それにしてもガラスの嵌め合い精度にはいつも感心します。
ケースの土手とガラスとベゼルの寸法がピッタリ決まらないとガラスの押圧力が上手く出ません。

ガラスは実は二重構造になっています。
表面は完全なサファイアガラスですが、その周囲に樹脂製のリングが貼り付けてあります。

1043

写真の下の方で白くなっている部分が樹脂です。
この部分は微かに弾性があり、ケースの土手とベゼルによって挟み込まれます。

さて、機械部分については、所定の個所に注油して組み立てておきます。

0995

主な注油先は、テンプとガンギ車の軸受け、アンクルの爪先、香箱の軸受け、長針を受けるほぞ車、巻き上げ機構の筒車などです。
場所に応じてサラサラの油と粘性のあるグリスなどを使い分けます。
アンクルの爪先などは写真の針の先端にノミの涙ほどのオイルをつけ、チョンとつけるだけです。

長くなりましたので今回はここまでです。
次はメインイベントのケースの磨き作業です。

山崎

ROLEX オーバーホール 1

こんにちは
知り合いの方のロレックスをオーバーホールすることになりました。
EXPLORER  Ref.14270 世間で言うキムタクモデルです。
10年ほど使い続けていてバンドの具合も悪いとのことです。

EXPLORERは一度触ってみたかった時計なので是非にということでみせて頂きました。

0918

カレンダーがなくとてもシンプルです。
6時側のフラッシュフィットが開いてしまっています。
これでは服の裾を引っ掻けてしまいますね。
ケースの表面にはそれなりの小傷がありますが大きな打ち傷はありません。
サファイアガラスもとてもきれいで丁寧に使われていたことがわかります。

まずはベルトを外して外観チェックです。

1

おーー、来てますねえ。
10年も使っていると大体このようになります。
リューズの周りなどにも汚れがびっしりと溜まっています。
もしかすると10年のあいだベルトの掃除などもされていなかったかもしれません。
でも、このように汚れている時計ほどワクワクします。

1037

フラッシュフィットの一つが壊れていました。
服に引っ掻けたりして広がったのでしょう、バネ棒を挿入する筒部品が切れてしまっています。
本来は丸ごと交換ですが、全体の形を整えて、筒部品を元のように成形するだけで実使用できそうです。

さて、裏ブタを開けて少しずつ分解します。
ROLEXは裏蓋を外すのに専用の工具が必要です。

1054

このように裏蓋の周囲に刻まれたギザギザに合わせたソケットレンチがあります。
ソケットレンチは各種モデルに合わせて複数のものがセットになっています。

1052

このように、時計ケースに合わせて木に雌型を彫り込み、傷が付かないようにビニールを挟んで固定します。
裏蓋にレンチを押さえ付けながら回します。

さて中身が見えました。

3

左上:自動巻きのローターを外します。

右上:時計の心臓部であるテンプユニットを外します。
このムーブメントはCal.3000といいまして、テンプを片持ちのアームで押さえています。
多くの時計が片持ちアームです。
ただし、改良された現行のEXPLORER Cal.3130では、両持ちアームの中央でテンプを押さえるようになっています。

十字形の腕を持つテンプには細い細い渦巻バネが取り付けてあり、この渦巻バネが巻かれたり解かれたりしてテンプが左右に往復振動します。
この時計では1秒間に8往復です。
テンプの周囲に小さい四つのネジが中心向きにねじ込んでありますね。
これを中心側にねじ込むと振動数が増え、外側に出すと振動数が減ります。

テンプには錨のような形をしたアンクルが繋がり、さらにガンギ車という鉤のような腕が沢山ついた歯車が連係していて、テンプの1往復ごとに歯車が一つ送られ時を刻みます。

どのように動くかは以下の動画を見てください。

左下:ムーブメントをケースから取り出し、針を外した状態です。
生の文字盤はケースから出したこの状態でしか見ることができません。
写真ではわかりませんが、漆塗りのような正に漆黒の塗装で眺めていると吸い込まれそうです。

右下:文字盤を外すと表側はとてもシンプルです。
中央の金色の歯車が短針用のもので、中心にある筒部分に短針の孔が嵌まります。
時計の針は全て軸に対して摩擦で止まっているだけです。
短針軸の中に長針用の筒歯車が入っており、さらに、その中に秒針用の軸が通っています。
秒針用の軸は裏側にある歯車から表側に貫通していて髪の毛ほどの太さしかありません。

ムーブメント動画

さて、分解していていて気付いたのですが、この時計には過去に修理歴がありました。

965

ローター受け座の中段部に黄色い環状の傷があります。
これは以前にローターの軸が壊れ、ローターの裏面で受け座が削られた跡です。
今は正常でローターの擦れはありません。

次はさらに分解していきますね。

山崎

福井空港フェスティバル

こんにちは
秋は各地で航空祭が続きます。
小松に続いて、いつも訓練している福井空港でも9月22日秋分の日にフェスティバルが開催されました。

福井空港は定期便がありません。
主な運航は軽飛行機・ヘリコプター・グライダーです。
離発着回数だけみればグライダーが最多です。

この日はあいにくの雨模様で、来場が予定されていた自衛隊のヘリコプターや、体験搭乗のセスナは来ませんでした。
飛行できるのはグライダーと福井空港をベースにしている防災ヘリコプターだけで、ちょっと物足りない感がありました。

雨模様のためお客さんの数はボチボチです。

1609283

本日の目玉はこのグライダーの曲技です。
錐もみ・宙返り・失速反転などいつも練習している課目が中心です。
自衛隊ヘリなどのフライトが無くなったのでグライダーの曲技は午前と午後の2回になりました。

1609281

私たちの団体のブースです。
新デザインのTシャツと本ブログでも登場したスチレン飛行機を販売しています。

1609282

曲技の他には、エンジンの付いたモーターグライダー2機によるオープニングフライトを行います。
写真の機体は何度かこのブログに登場しているファルケです。
翼の下から覗き込んでいるのは私です。
朝の試運転ですが、先日エンジンの整備をしましたので異音や振動がないか確認しています。

1609286

オープニングフライトでの2機並んでのローパスです。
私は向うの長機に乗っているのですが予定のコースを飛ぶことに専念します。
お客さんから2機が重なって見えるように手前のディモナは少し低い位置につきます。
2機の位置調整はパワーの出し入れに幅があるディモナの作業です。
このあと長機からタイミングを指示して左右に上昇ブレークするという演技を行いました。

SONY DSC

演技終了後のご挨拶です。
こういうのはかなり照れくさいものがあります。
因みに黒いTシャツが私です。

1609287

これは防災ヘリコプターによる救難訓練のデモです。
地上30mぐらいまで遭難者を吊り上げます。
なかなかの迫力です。

1609284

この日は一日中こんな感じの空で小雨の間になんとか予定のフライトをこなせました。
フライトの合間には1300mの滑走路を使って地元団体チームによるリレーが行われたり、福井県下から集まったゆるキャラの撮影会などがありました。

それにしても、私はいつもは晴れ男なのですが、先週の小松に続いて雨になるとは・・・・。

山崎

小松基地航空祭

こんにちは
小松基地航空祭に行って来ました。

学生グライダーの全国団体である日本学生航空連盟が昨年より小松基地祭に参加させて頂いています。
最近の各大学航空部の部員減少傾向を何とかしたいということで、グライダー活動の宣伝が目的です。
その実動部隊が、普段は福井空港で訓練している東海・関西地区の学生・OB団体です。

具体的に何をするかと言いますと、約20分間の飛行展示と地上でのグライダー展示です。
グライダーは、曳航機に曳かれて福井空港からフライインし、上空で簡単なデモを行ったのち着陸せずに福井空港に帰ります。
ただ、残念なことに今年は台風の影響で飛ぶことができませんでした。

ということで地上の様子です。

1

渋滞を避けるために福井空港を深夜2時に出発し、5時に基地内に入って準備しました。
グライダーの展示場所は、メイン会場であるエプロンからはかなり離れた場所です。
自衛隊主催の紙ひこうき大会会場の横です。
ここで、グライダーのコックピット搭乗と、Tシャツ・スチレン機の販売を行います。
でも、お客さんは皆足早にエプロンの方に行ってしまいます。
あちらにはカッコいい戦闘機がいっぱい並んでいますからね。

2

私もこの日は地上で売り子さんです。
呼び込みは、お中から声を出さないと直ぐにのどを痛めてしまうので注意です。

合間を見てエプロンに行ってみました。

3

相変わらずすごい人です。
これでも台風の影響で人出は少ない方で、去年はアスファルトの地面が見えないぐらい沢山人が居ました。

おー、泣く子も黙るアグレッサーのF15です。
今年から小松常駐となりました。
アグレッサー部隊は自衛隊内で敵方役をする飛行部隊です。
仮想敵国の飛行特性を日々研究しており、全国の飛行部隊を回って実戦教育します。
この部隊のパイロットは全国部隊からの選りすぐりでとにかく強いそうです。

4

F15といえば普通グレー一色ですが、アグレッサーの所属機は各機バラバラの迷彩塗装です。
前席のヘッドアップディスプレイのカバーに赤い星のマークがあるのがわかりますか?
人だかりがしていて流石に人気と思えばモデルさんの撮影会でした。
誰が言い出すのか、航空祭と言えば必ず企画される定番行事ですね。

ブルーインパルスも来ていました。
機体はT4という複座訓練機です。
F15に比べるとずっと小柄で、エンジン音もマイルドです。
殆どのお客さんはこれを見に来ていると言ってもいいぐらいの人気です。

5

格納庫の中ではF15の車輪の出し入れのデモが行われていました。

6

3カ所のジャッキポイントを専用のジャッキで支え、整備士の方が座席に座ってギアの出し入れ操作をします。
「ギーー」とかいうのんびりした音ではありません。
「ガタンッ、バコンッ!」 で終わりです。
他の飛行機と比べて極端に早く、3秒ぐらいで格納が終了します。
離陸後、直ぐにギアを格納して加速するためでしょうね。

このあとブルーも飛びました。

7

ただ、残念なことに小雨が降りだし、視程も悪くなったために水平飛行の課目だけになりました。
強風が吹いていたのですがフォーメーションが殆ど乱れないのは正に神業ですね。

普段、私は晴れ男なのですが、今年はあいにくの天気で、私も多くのお客さんもちょっと消化不良に終わってしまいました。
来年はまた晴れるといいですね。

山崎