ベンツW124 エンジンOH (1/10) カム取外し
ご無沙汰しておりました。
コロナの影響というわけではないのですが、気が付けば約1年もあいてしまいました。
このブログは仕事のホームページとリンクしているのですが相変わらず仕事とは無関係な内容です。
今回、自車のエンジンをようやくオーバーホールしたので備忘録も兼ねて記事をアップします。
でも、世間のトレンドは電気モーターなので、このエンジンをもう一回分解することはないかもですね。
分解前のエンジンです。
1994年式BENZ W124 E220、エンジン型式M111 直列4気筒です。
走行距離は195,000kmで、ここのところ信号待ちでの振動が増えてきていました。
燃費は当初と変わらず13km/リットル出ていたのですが、エンジンヘッドとシリンダブロックとの間からのオイル漏れも目立ち始めていたので分解することにしました。
分解前に各パーツに目印を付けておきます。
マスキングテープを巻き、接続箇所を記入します。
上から順に分解します。
エンジンハーネスを外し、プラグコード、プラグ、アクセルワイヤー、ミッションワイヤー等を外し、さらにインテークマニホールドを外します。
ここまでで約半日掛かりました。
カムカバーを外します。
内側は思ったよりも綺麗です。
ネット記事ではオイルが全面に茶色くこびり付いた例を見ますが、当初のアルミ色がそのまま見えます。
これはオイル管理が良くできていたということで、ちょい自慢です。
と言っても 5,000kmか半年ごとに Mobil 1 を入れていただけですけど。
カムカバーの裏面もかなり綺麗です。
カムシャフトを外す前に最前列の1番ピストンを上死点に合わせ、カムとチェーンに合いマークを入れます。
こちらは排気側。
隣にチョコっと見える吸気側もマーキングします。
この位置合わせは、エンジン下部に露出しているクランクシャフトの固定ナットに27mmソケットを付け、長めのレンチで回します。
クランクシャフトプーリの側面にある角度の刻印を0度に合わせると1番ピストンが上死点に来ます。
シフトレバーはパーキングに入れていますが、ミッションとクランクシャフトの間にはオイル経由のトルコンがあるのでクランクシャフトは簡単に回ります。
このあと2本のカムを外しますが、チェーンの位置保持が大事です。
チェーンの底はクランクシャフトのギヤに噛んでいますが、チェーンを緩めてしまうと多分ギヤからチェーンが離れます。
もし、チェーンの噛み方が変わると、二本のカムシャフトの位置をマークどおりに戻しても排気バルブと吸気バルブの開閉タイミングが狂ってしまいます。
なので、今回は、チェーンにテンションを掛けた状態で、エンジンブロックの一カ所に針金で固定しておきました。
普通は夫々のカムシャフトに基準マークがあって、エンジンヘッドの何処に合わせればよいというのがあるのですが、このエンジンではそれが???なのです。
ネット情報でいろいろ調べたのですが、カムシャフトのギヤ形状がどうも違っていて、ネット情報も当てになりません。
頼るべきはマーキングのみです。
ただ、次回やるとすれば、カムシャフトを外す前に1番ピストンを上死点に合わせ、双方のカムギヤとエンジンヘッドの一部との間に別の合わせマークを付けておくと、チェーンの位置管理が簡単になるでしょう。
カムシャフトを外し、向こう側(吸気側)のラッシュアジャスタ―を抜きました。
ラッシュアジャスターはエンジンヘッドに対してスライドしますが、隙間なくピッタリと嵌っています。
頭も少ししか出ていないので指でつまもうとしても滑ります。
ですので、ウォーターポンププライヤーで挟んで外しました。 ラッシュアジャスタ―の材質は耐摩耗性があって大変硬いので、プライヤーでちょっと挟んだくらいでは傷はつきません。
抜いたラッシュアジャスタ―です。
これは夫々のバルブ軸とカムとの間に居て、バルブ軸とカムとの隙間をゼロに調整する部品です。
一応、何処に付いていたのかをケースの蓋に書いておきます。
ラッシュアジャスタ―については構成・動作が結構複雑なので後の回で詳細をアップします。
茶色く顔をのぞかせているのがチェーンガイドです。
これはエンジンヘッドからその下のクランクケースまで伸びています。
こいつは、下がクランクケースに止まっており、上がエンジンヘッドに止まっています。
エンジンヘッドを外すには上の止めピンを抜いておく必要があります。
このピンは摩擦で止まっているだけですが、押し込むというより打ち込んであります。
整備書には、ピン中央の雌ネジにスライドハンマーの軸をねじ込めと書いてあります。
スライドハンマーは、長い軸にオモリが通してあり、オモリが自由にスライドするものです。
軸の端には止めナットがあるので、オモリを力強くスライドさせると止めナットに衝突し、軸全体をその衝撃で動かします。
ただし、そんな道具はありませんし、長い軸をセッティングするスペースもありません。
で、こいつで抜くことにしました。
長めのボルトにナットを一つ付け、ワッシャを介してラチェットのコマを通します。
コマの先からボルトの端が1cmほど出ていることが重要で、チェーンガイドのピンの雌ねじにねじ込みます。
そして、ボルトの先の六角をレンチで固定しておき、ナットを回します。
この方法だと、すごく大人しくピンが抜けてきます。
ンの挿入深さが長いうちは摩擦が大きいのでナットを回す力が必要ですが、ピンが抜けて来るほどに軽く回るようになります。
抜けました。
チェーンガイドの楕円の孔にこのピンが通っていました。
あとは、エンジンヘッドをシリンダブロックに止めているセットボルトを10本外せばエンジンヘッドが外れます。
ということで、ここで一日目が終了しました。
次回は、エンジンヘッドの取外しです。
つづく