ベンツW124 エンジン息つきの原因探求(1/3)
こんにちは
前回の更新からだいぶ時間が経ちました。
その後、いくつか作業をしたのですが、2500rpmでの息つきはまだ解消していません。
具体的には、まずはイグニッションコイルを交換してみました。
しかしながら特に変化なし。
まあ、これは大体予想どおりです。
次はパージバルブの交換。
パージバルブは、燃料系統で気化したガソリンをエンジンに回して燃焼させる装置です。
これが常に開き状態になっているのを見つけました。
燃料タンクからパージバルブの途中には活性炭を詰めたチャコールキャニスターがあり、ここで気化ガスを一旦吸着します。
しかし、これが古くなると粉状の活性炭が配管を通ってパージバルブに入り、バルブの開閉部分に噛んでしまうのです。
その結果、バルブが閉じなくなり、エンジンに常に2次エアーが入ることになります。
つまり、エアマスセンサで測定した空気量に基づいてインジェクタから適量の燃料が噴射されるのですが、エアマスセンサの下手側から別の空気が入り込むことになるので燃料の混合比が変わってしまうわけです。
ここはかなり期待してパージバルブを交換したのですが、それでも変化無しでした。
これでおよそ主だった部品は交換しました。
いよいよ行き詰まってしまいました。
素人判断では限界があり、やはりプロの診断が必要ということで、近所の阪神マイカーランド様で、再度、コンピュータ診断をお願いしました。
去年の11月に一度試したのですが、その時は、診断機が車のコンピュータを認識しなかったのです。
最近になり、コンピュータ基板の電解コンデンサ等が劣化していると通信不能になるということを知りましたので、丁度、前回診断のあと電解コンデンサの全交換と主なハンダの打ち替えを行っていましたので再トライすることにしました。
ダメもとで車を持ち込んだところ今度は診断できました。
基板修理の甲斐があったのかもです。
ただし、結果は「エラーなし」
コンピュータ診断で判別できる故障ではないということです。
一番心配していたコンピュータ自体の交換が不要になったことは嬉しいのですが、さらに原因探求が必要です。
症状からすると、電気・空気・燃料のうち燃料の供給ムラである気がします。
電気だと、もっと低回転から症状が出るはずですし、空気だと2500rpmで回転数が鋭く落ちることはないはずです。
おそらく燃料の供給が不安定で燃焼状態が変化するのでしょう。
燃料系だとして、インジェクタそのものをまだ洗浄していません。
前回インジェクタを外した時にノズルの噴射孔が綺麗だったのでそのままエンジンに戻したのです。
ここまで来ると何か問題が残っているかもしれないので気合を入れて洗浄作業してみることにしました。
まず、各インジェクタの細部を顕微鏡で見てみました。
ノズル先端の写真です。
螺旋状に違う方向を向く二つの噴射孔があります。
特に汚れはありません。
反対側にはカゴ状のフィルタがあります。
フィルタの写真は無いのですが、二本のインジェクタから、なんだか液体ガスケットのような赤い固まりが出て来ました。
デリバリパイプの中にも同じ異物があります。
これらが原因だったのかもしれません。
ただし、フィルタの大部分は綺麗な編み目状態を保っていますので、どうなんでしょうね。
そこで、時計の洗浄に使っている超音波洗浄器にガソリン添加剤「WAKO’S フューエル1」を一缶入れ、約12分ほど洗浄しました。
フューエル1は、劣化して粘り気が出だしたガソリンを溶かす効果があるようです。
超音波洗浄中は、バッテリー充電機から各インジェクタの端子に6Vを給電し、手動で1秒間隔ぐらいのON・OFFを繰り返してインジェクタをカチカチと作動させます。
各インジェクタは3分ずつ動作させました。
その後、写真を採り忘れたのですが、スプレー式のキャブククリーナーのノズルを、金魚のチューブを使ってインジェクタに接続し、端子に同じ6Vを掛けて開き状態にしたままクリーナーをスプレーします。
インジェクタの先からクリーナーが霧状に噴出します。
どのインジェクタも綺麗な噴霧状態でしたので、インジェクタの汚れも大丈夫なような。
洗浄したインジェクタをデリバリパイプに取り付けエンジンに戻します。
超音波洗浄で使ったフューエル1は殆ど汚れなかったので、次のガソリン給油時にガソリンタンクに入れることにします。
インジェクタの復旧が完了し、エンジンを掛けてみました。
ところがまたしても症状は改善せず・・・・・・。
インジェクタの異物は犯人ではありませんでした。
いつまで原因探求が続きますやら。
つづく