オールド RADO の修理 7(最終回)

このシリーズ最終回です。

まず風防の手入れからです。
表面には沢山のひび割れがあるのですが大きな打ち傷はありません。
そこで、どれだけ綺麗になるか磨いてみることにしました。

この風防はプラスチック製でケースの縁溝に嵌め込んであります。
専用工具で周囲を掴み、ギュッとすぼめて縁溝から取り出します。

まずはひび割れの除去です。
ペーパーを使い、240番→400番→800番→1200番→1500番の順に磨きます。

手だけで磨くのは大変なので、ハンドドリルに自作の円盤冶具を取り付け、そこに両面テープで風防を貼り付けます。
ドリルを低速で回しながら、木片に巻き付けたペーパーを当てます。

この風防には日付用のレンズが付いていますが、内側に膨らんでいて表面側はフラットです。
とても磨きやすいです。
240番のペーパーでひび割れが無くなるまで磨き、後はペーパーの番手を上げて磨き傷を消していきます。

写真はありませんが、仕上げは 8000番の研磨剤をヒノキ棒に付けて撫でるように磨きます。
表面が完成したところでケースに嵌めてみました。

何か、いまいちです。
改めて見ると、裏面にも小さなひびが沢山入っていて、斜めから見ると光ります。
それに、10時位置にある大きなひびが目立つようになってしまいました。

やっぱり新品に交換しよう!

例によってヤフオクで風防を探しますと、ちょうどRADO用の直径30.5mmが出ていました。
こちらは特に競うことなく開始価格で落札することができました。

流石に新品は変色がなくクリア感が半端ないです。
見栄えが大幅に変わります。
早速ケースに付けてみました。

風防はOKです。
あとはケースの小傷ですね。

ケースは20μmの金箔ですから磨き過ぎると地肌が出てしまいます。
金属磨き用のアモールをヒノキ棒に付けてまず大よその傷を減らし、仕上げに8000番の研磨剤で磨きました。
金は柔らかいので直ぐに磨けてしまいます。

いろいろありましたが、ようやく完成しました。

ビフォー アフターです。

文字盤が少し心残りですが、まずまずの復活ではないでしょうか。
写真では上手く表現できないのですが、金独特の軟らかい色になりました。
ばねを折ったときは慌てましたが、なんとか収まって良かったです。

時計をBさんに郵送したところ、早速、お父さんの仏壇に供えて頂いたとのことです。
その週末にはベルトを買いに行かれるとかで、また元気に動いてくれると思います。

山崎

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