TUDOR 4

部品の清掃が終わり、機械を組み立て、運転してみました。
ご覧のように快調に動きました。

TUDOR

50年前の機械とは思えないほど、駆動部のすり減りなどもなくしっかりしています。
ゼンマイを巻き上げ始めると直ぐに動き出しましたので、全体の摩擦は小さくなったようです。

ただし、まだ、針をつけていないので精度は不明です。
最終的には、針をつけて、1日の誤差が少なくなるように調整します。
とは言っても、機械式時計の場合は一日に10秒~15秒の誤差は出るものです。

さて、ケースの磨き作業も行いました。
清掃前です。

長年の汚れですが、これでも随分と綺麗な方です。

アルコールと歯間ブラシで汚れを落としました。

これだけでもかなり綺麗になった感じがします。

サイドの細かなすり傷と微小な凹凸傷です。

肉眼では目立ちませんが、写真に撮ると結構年季が入っていることがわかります。
しかし、普通は一つや二つはある大きな打ち傷が一切見当たりません。
とても丁寧に使われていたようです。

両サイドの鏡面仕上げ部分につき、800番のペーパーで傷を取りました。

このあと、ペーパーの番手を 1000,1200,1500と細かくしていき、最後は金属磨き用のアモール、8000番のコンパウンドで鏡面仕上げします。
どれもホームセンターなどで入手できます。

ペーパーは指で押さえて磨きます。

次に、アモールを付けて模型用のヒノキ棒で擦って傷を減らします。
アモールは固いバターのようですが手で触ると少しザラザラ感があります。
つまり、粗いコンパウンドなので一定以上の小傷が必ず残ります。
磨き面を蛍光灯にすかすと薄く白く濁る感じです。

最後に残った細かな傷は8000番のコンパウンドをヒノキ棒の側面に付けて擦るように磨きます。
ヒノキ棒の端面で磨くと、木の繊維が磨き面に立って、細かな磨き傷が残り続けます。
なので、最後は木の繊維の長手方向を使って撫でるように擦ります。
軽い力で5~10分磨くとクリアーな鏡面になります。

旧い時計は、長年の使用感が蓄積されるものです。
それらを残すというやり方もありますが、今回はお婆さんから譲ってもらった後、新たにKさんとの付き合いが始まります。

ということで、もう少し各部を綺麗にして新品当時の姿に近づけたいと思います。

山崎

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