TUDOR 6
今回の作業も終盤になりました。
今日は風防の修復です。
この風防はプラスチック製なので研摩は比較的簡単なのですが、透明性を出すには意外と手間がかかります。
磨き前の風防です。
時計に付いていた状態ではそれほど気になりませんでしたが、結構、傷が付いているものです。
まずペーパーの800番で傷を取り、そのペーパー目を無くしていく途中の1000番での研磨中です。
2000番までペーパーを進めた後、布とコンパウンドで磨きます。
横の青いのは歯磨きの柄を加工した磨き棒です。
今回、表だけと思っていましたが、何分古い風防なので、裏面に細かなヒビが出ていました。
干上がった池の底の割れた表面のような感じです。
これが、却って表の傷よりも深く、消すのになかなか苦労しました。
新品風防が入手できるのであれば迷わず交換ですが、このケースに合った風防を見つけることができず、やむなく磨き作業となりました。
両面とも鏡面にするのは結構骨が折れる作業で、略一日掛かりました。
とういうことで磨き後です。
写真では綺麗に見えますが、拡大鏡で見ると取り切れていない細かな傷が多数残っています。
でも意識しないと見えないので実用上は目立ちません。
仕上がった風防をケースに組み込みます。
レンズをケースの表の土手に被せ、その上からベゼルを被せます。
これらは全てROLEX純正品です。
レンズの裾がケースとベゼルとで挟まれる構造です。
なかなか良い艶が出ていると思います。
時計整備は、このような after の姿を見るのが楽しみでやっているようなものです。
さて、次回はこのシリーズの最終回です。
組み直した機械をケースに入れますよ。
どれくらい綺麗になりますか。
山崎