TUDOR 7 最終回
TUDORもいよいよ仕上げとなりました。
組み上げた機械の裏側です。
機械の裏側とは文字盤の裏側です。
反対の表側です。
何度も言ってしまいますが50年も経った機械とは思えないほど綺麗です。
文字盤と針を付けてみました。
文字盤の細かな汚れの浮きは仕方ないのですが、改めて眺めてみると針の蛍光塗料の汚れが残念です。
針は時計の中で最も見るところでもありますし。
ということで、針を再度ばらし、蛍光を塗り直すことにしました。
良い蛍光塗料があるかをネットで調べてみますと、ありました。
㈱カンペハピオのヌーロ。
分量も8mlの少量分がありました。
8mlといっても時計の針の蛍光補修に使うのはそのうちの僅かです。
多くの塗料が使われずに固まってしまうのがちょい悲しいですが。
まずは古い蛍光を落とします。
針の先で突くとポロポロと崩れるようにとれます。
蛍光は針の窓に充填されていて、塗るときには針の裏側から押し込むように塗り込みます。
多過ぎたかなと感じるぐらいがちょうどです。
拡大すると他の部分のメッキに汚れがありますが、これは通常使用では全くわかりません。
とにかくこれでスッキリしました。
ようやく全ての作業が終わりましたので機械を組み直しケースに入れてみました。
良い感じです。
よーく見ると使用感が見えるのですが、パッと見だけでは新品みたいになりました。
時計が若々しく見える条件は、やはり文字盤の状態が良いことです。
これは普段の使い方次第で随分変わります。
それと、ケースがメッキでないことで若返りが簡単です。
ステンレスや金無垢材ですと少し研摩するだけで新品のようになります。
表面が削られる量は僅かですのでケースの形が変わるようなことはまずありません。
この時計の精度ですが、リューズを15回ほど巻いたあと文字盤を上にした平置き状態で様子を見ました。
18時間後までは+2~-3秒の誤差、その後24時間後までに-40秒となり停止しました。
申し分ない高精度です。
このTUDORは、Kさんがおばあさんから譲ってもらったのだそうです。
今回リフレッシュしまして大変喜んで頂きました。
引き続き大切に扱って頂けるとのことで良かったです。
山崎