スチレン飛行機 4

こんにちは
今回は、スチレン飛行機の旋回調整についてです。

以前少し触れましたが、このスチレン機は射出時と滑空時とでは別モードで飛行します。
そして、射出時には高度をとりたいので直進させ、滑空時には、飛行機が遠くに行ってしまわないように、また、上昇気流の渦巻の中に留まり易いように旋回させることにしています。

具体的には水平尾翼を左右何れかに傾けます。
傾ける角度は下の図に示したぐらいです。
このように右側を下げると機体は左旋回します。

旋回調整

この機体はいわゆる後ろ重心ですので、滑空時には対気が主翼と水平尾翼に対して前方斜め下から当たり、水平尾翼にも上向きの揚力が生じます。
前後から見たとき揚力は翼に対して垂直方向に生じますので、図のように水平尾翼を右に傾けると揚力も右に傾きます。
これらの揚力の発生方向を変えるというのがポイントです。
尾翼では揚力の一部が右向き分力となり、テールが右に流れて左旋回するわけです。
水平尾翼の傾け方を大きくするほど旋回半径が小さくなります。

尚、このような旋回は実機にはありません。
水平尾翼が傾いている実機なんてありませんのでね。

因みに実機の旋回ですが、左右の翼の後縁についているエルロンを操作して機体を傾けます。
エルロンは左右で反対方向に動くようになっていて、エルロンが下がった方の翼は揚力が増えて持ち上がり、エルロンが上がった方の翼は揚力が減って下に落ちます。
これによって機体を傾けます。
機体が傾けば主翼の揚力も傾き、横向き分力が生まれて旋回するのです。

これに対して、このスチレン機の旋回は、主翼は傾かずにテールだけが左右に流れます。
実機で言うところのダダすべり旋回です。
クルマだとドリフト走行でしょうか。

このように模型飛行機には模型ならではの飛ばし方があります。
乗り心地は関係ありませんので、思うように飛ばすためにはいろいろなノウハウがあります。
実機の世界とはまた別世界で大変面白いです。

尚、2019年7月1日より 本機の提供を始めました。
航房 YAMASAKI

山崎
あみ知的財産事務所

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