ROLEX オーバーホール 3

こんにちは。
このシリーズの最後です。
今回は磨き作業です。

前回の金時計と違って今回のケースはステンレスです。
金に比べてかなり硬いので少し時間が掛かります。
ただし、使う研磨材などはほぼ同じです。

この時計のケースは非常にシンプルな形をしています。
ミラー仕上げにするのは側面とベゼルだけです。
特にベゼルは完全な円錐形ですから磨き作業はとても楽です。

先ずはケースです。
ペーパー1000番→1500番→2000番と進みます。
写真がないのですが、そのあと金属磨き用のアモールで大体のキズ目をとります。

その次にコンパウンドです。

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コンパウンドはタミヤコンパウンドと前回使った8000番の仕上げ用コンパウンドを併用しました。
例によりましてヒノキ棒でひたすら磨きます。
時間は掛かりますが、すこしずつキズ目が減っていきます。
コンパウンドによる一方の側面の研磨時間は大体1時間くらいですね。

次はベゼルです。
ここは機械を使います。
といっても、ハンドドリルの先に回転台を取付け、ベゼルを両面テープで貼っただけです。

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この場合もペーパー1000番→1500番→2000番です。
特に、注意すべきは磨き棒の角度を変えないこと。
ベゼルの表面は円錐ですから母線の輪郭は本来は直線です。
磨き棒が動くとこれが丸まってしまい、写り込む陰影が曲がってしまうのです。
新品のベゼルは完全に円錐なので陰影がピシーッと一直線になりますが、残念ながら手で磨きますと絶対にそのようにはなりません。
でも、そこは限りなく直線に近付けるように息を止めて磨き棒を保持します。

ペーパーが終わりますと同じくコンパウンドです。
コンパウンド磨きはキズ目を顕微鏡で見ながら行いますので、どうしても完全手磨きになります。

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ぐるりと一周磨いていきます。
ヒノキ棒を立てたり寝かしたりしながら磨きます。
1時間ほどで綺麗になりました。
磨き終わった状態が前回紹介したガラスが外れている写真です。

ガラスとベゼルをケースに取り付けます。
が、これが大変でした。
ベゼルにガラスを嵌めておき、それをケースにパッチン式に嵌めるのですがメチャクチャ固い。
素手で押してもびくともしません。
無理に強く押すと一部だけが嵌まってベゼルとガラスが傾いてしまいます。

そこで即席に万力を作りました。

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2枚の板の間にケースとベゼルとガラスを挟み、四隅に通したボルトを順に締めていきます。
均等に締めないとガラスがすぐに傾こうとします。
締めたり緩めたりを何度か繰り返してようやく奥まで押し込むことができました。

このあと、ガラスの内面と文字盤の表面にホコリが残らないように注意しながら機械を入れます。
文字盤が深い黒ですから少しのホコリでも大変目立ってしまいます。

で、完成したのがこれです。

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側面には景色が綺麗に映り込んでいます。
ですが、なんか様子が変です。
ベゼルがなんとなく曇っているような。
改めて顕微鏡で見ると小さな傷ですが密度濃く残っている場所があります。
人の目というのは鋭いものですね。
太陽光だと目立たないのですが、蛍光灯などの単色光だと小傷部分が曇って見えてしまいます。
せっかくここまで磨いたのですから何とかしたいところです。

8000番で散々磨きましたが、このように小傷が残るということはその前の段階が問題なのでしょう。
前回はアモールで暫く磨いてすぐに8000番に行きましたが、アモールの粒子が崩れたところでもう少し力を抜いて磨いてみることにしました。

ただ、時計は組んでしまっていて研磨するとケースとベゼルの隙間などに研磨粉が入って汚れてしまいます。
分解するにしてもガラスを再度取り外すのは避けたいところです。
そこで考えたのがこれです。

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木工ボンドパック。

研磨粉が入りそうな隙間を木工ボンドで覆いました。
大丈夫です、後でつるりんと上手く剥がすことができるのです。
一方、ガラスとベゼルとの隙間は問題ありません。
メチャクチャピッタリ嵌っているので歯間ブラシで擦ればきれいになります。

アモールによる長時間研磨は正解でした。
粒子が細かくなっていくにつれて磨き力を弱めていくと小傷が消えていきます。
それでも小さな傷が残りますので、それは8000番で除去します。

そうして改めて完成したのがこれです。

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スマホで写したのですがベゼルにスマホと手が写り込んでいます。

ついでにベルトも磨きました。
これは実は凄く簡単です。
台所で普通に使っているスポンジの片面についている磨き材です。
やかんの表面を磨くザラザラしたあれですね。

ベルトはもともと砂目を入れてあるのですが長年の使用でむしろ研磨されてしまいます。
そのため光り具合が一定でなくなってきます。
磨きスポンジで擦ると小傷も消えるし光沢も整って新品のようになります。
一方向に目を揃えるのがコツです。

気になっていた時計を触れて非常に楽しかったです。
勇気あるオーナー様に感謝です。

山崎

 

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