メルセデスベンツ W124 フロントガラス交換 1

こんにちは

今回はフロントガラスの修理です。

この94年式のメルセデス(W124)E220は、現在、走行距離が187,000kmです。
近々にエンジンのオーバーホールを予定していますが、今のところはまだ好調です。
ところが先日、高速道路で小石が当たり、運転席側の位置に花柄のキズができてしまいました。

そのうち補修しようと思い、暫く手を付けていなかったのですが、たまたま暑い日に屋外駐車していましたら、そのキズから左右にクラックが走ってしまいました。
車に乗り込んだ時にいきなりクラックが目に入るというのはかなり衝撃があります。

最初は、この中心のキズだけでした。
しかし、ガラスは温度差で膨張収縮しますのでクラックはその後徐々に成長しました。
キズ発生から約2カ月経っているのですが上に向けて3本目のクラックもできています。

こうなった以上、補修では済まず、ガラス交換となります。
キズの段階で補修材を埋めておけば良かったと悔やんでも手遅れです。

で、ネットでガラス交換費用を調べてみますと、部品代(8万円以上)と工賃含めて10万円を超えそうです。
私の車は当初より車両保険には入っていないので、これはなかなかの問題です。
ガラス交換は大変面倒だと何となく感じていたのですが一応ネットで交換方法を調べてみました。
いろいろと記事を読むうちに何とかなるかもしれないと思い始めました。

家の近くにメルセデス専門の修理ショップがあるので尋ねてみますとちょうど同型の部品取り車がありました。

この車はワゴン車ですがフロントガラスは同じです。

費用を尋ねますと、ガラスが2万円、取外し工賃が2万円、さらにこのガラスを私の車に取付けてもらうには4万円が必要です。
私の車への取付け工賃は、壊れたガラスの取外し工賃と取付け工賃が必要です。
これでも8万円掛かります。

そこで、厚かましくも訪ねてみました。
「自分で取外しますので部品代だけで分けて頂くことはできますか?」

ショップのメカニックは少々沈黙されましたが、条件付きでOKとのことです。
ただし、ガラスの取外し作業は最後まで完了させることと、仮に取外し途中にガラスが破損しても当方で買い取る、という条件です。

初体験の作業で、即答するには難題過ぎます。
技術的な問題と経済的な問題との天秤です。
代用品の新品ガラスを買うと4万円。
しかし、代用品ガラスだと、封水処理のためのエッジに防水ゴムを取り付ける圧着パーツがありません。
純正新品ガラスだとその点問題ないのですが8万円と高額です。
結局、数日間考えて、ショップ提示の条件で分けてもらうことにしました。

当日はショップの開店からお邪魔して作業開始です。
まず、部品代を先払いしておきます。
もしガラスが壊れてしまったらそのあと代金を払うのかなり嫌になりそうなので。

幸いこの車からは既に多くのパーツが取外されており、車の内外ともガラスのエッジ部分にアクセスし易い状態になっていました。

ネットで調べた中で最も確実だろうと思われるピアノ線を使った方法でチャレンジすることにしました。
ただし、今回はピアノ線の代わりに手持ちのステンレス線(約0.8mm径)を使いました。

ガラスは車体の窓枠に接着剤で貼ってあるだけです。
接着剤は弾力性があり、千枚通しで突くと簡単に穴が開きます。
その穴からステンレス線を通し、一方の端を車体の適当な所にくくります。
そしてもう一方の端をガラスの縁に沿って引張って接着剤を切ります。

写真のルーフに載っているレンチにステンレス線を巻き付け10~20kgほどの力で引張ると程よい感触と共に接着剤が切れます。
なかなかの快感です。
ただし、何かに引っ掛かると急に重たくなり、さらに強く引っ張るとステンレス線が切れてしまいます。

新しくステンレス線を通し直したり引く方向を逆にしたりしながら作業し、約2時間で無事にガラスを外すことができました。

やれやれです。

ガラスの取外しから少し時間が経ちました。
自分の車の作業日がなかなか取れないのでのんびり構えているのですが、取外したガラスの事前準備をしておきます。
裏面に残っている接着剤を除去します。
このようにカッターナイフで簡単に削ぎ取ることができます。

全周の除去作業が終わりました。
下エッジの防水ゴム取付け部分がかなり損傷していますが全くないよりはマシでしょう。
表面には僅かにワイパー傷も残っています。
そのうちキズ取り作業もやらないといけません。
そのような余分な作業が発生することを考えると、新品純正ガラスを買った方がコスパが良かったかなとも思います。

さて、次回は実車作業です。

山崎
あみ知的財産事務所

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